景観の構造
【KITSU】です。
横浜のオフィスから見るみなとみらいの風景はいつもすばらしいですね。
景観というものを構造的にとらえてみます。
見下ろす景観を俯瞰(ふかん)といいます。
「ものごとは俯瞰的に見ないとダメだ」と言われたことありますよね?
「上から目線」のことです。
自分の目の位置と見下ろす先にある対象物との角度のことを、俯角(ふかく)といいます。
下方を見る視線の水平に対する角度です。
首がやや前方へ傾いているため、直立した人間の標準的な視線方向は俯角10度となります。
10度より小さい角度の俯瞰景は「向こうにある」という感じ、ほぼ水平方向を見ている状態といえます。
10度より大きい角度の俯瞰景は「眼下に広がる」という印象を与えます。
一方、30度~45度より大きな俯角は、視点すぐ手前の地面に落ちる視線であり「足がすくむ」ような印象となります。
見下ろす景観で一番いいのは、10度~30度の間ということです。
美術館などディスプレイに最適な領域である、ともいわれます。
この世のなかで、港や湖面を望むことのできる有名な展望台は、俯角10度の先に水面があり、10度~30度の間にも船や建物などの個々に点景が存在します。
港の見える丘公園が、有名展望スポットだったのは、この角度のなかに、水面と船があったからです。
・・・あったから。そう過去の話。
今は、埠頭が沖の方まで建設されて、水面はずっと先の方にあります。俯角は10度以下です。
今や「港は向こうにある公園」です。
当オフィスは9階ですから、6m(1階)+4.2m×8階+1.5m(自分の目の位置)=概ね40m
三角関数を用いると、
横浜美術館の手前あたりに水面があれば、見下ろす景観としてはもっといい感じなのかも知れません。
ただ、景観には見上げる景観もあります。
これについては、いつかまた。