竹酔月 2018
9月に入って、長袖を引っ張り出すことも増えてきました。
今年は酷暑だったので、秋の空気が一段と心地よく感じられる気がします。
そんな秋の気配に浮かれて、鎌倉散策へと出かけました。
まずは先月訪れた時に秋を先取りしていた風情の東慶寺へ。
中旬ではまだ暑さがそれなりだったのですが、咲く花々はすっかりと初秋の装い。
門を潜ってすぐのところでは秋明菊と高砂芙蓉がお出迎えしてくれました。
秋明菊の一重の花弁……と見えるのは、実は萼片なのだそうです。
同じように花弁のない花としてはクリの花などもそうらしいのですが、花弁じゃないとはちょっと吃驚ですよね。
高砂芙蓉は別名を矢の根梵天花というそう。芙蓉を小さくしたような可愛らしい外見とは趣の違うゴツい感じのする別名ですね。
少し先へといくと吾亦紅が咲いていました。
上から下へと咲き零れていく様が面白い花ですが、読み方は同じでも様々な漢字があてられているのも面白いと思います。
吾亦紅のほかには、吾木香や割木瓜、吾妹紅など。個人的な好みを言えば「吾木香」ですかね!
赤い花が続きますが、彼岸花もいくつか咲いていました。
個人的に、花の形といい別名といい、とても好きな花の一つです。
次にお邪魔したのは、東慶寺から程近い浄智寺です。
門前の萩は咲き始めで、境内では白い萩が一分から二分咲きといった具合。
見頃はまだとはいえ、露に濡れた様子が何とも言えない風情です。
少し歩くと、小紫の実が色づいていました。
紫式部という別種の植物より小振り、という意味合いで「小紫」だとか。雅やかな名に違わず、品のある美しい紫ですよね。
こちらでも咲いていた彼岸花は、残念な写真の腕を補って余りあるほどの背景によって、なかなか良い感じに撮れたと自画自賛。
勿論、上手い方であればもっと味わい深いものになるのは分かっているのですけれど。
だいたいは花の写真ばかり撮っているのですが、今回はそれ以外にも撮ってしまったものがあります。
お地蔵さまのカラーコーン!
なんということでしょう……趣というよりは有り難みしかありません。カラーコーンなのに。
でも、どことなく愛嬌のある佇まいですね、お地蔵さまとカラーコーンの組み合わせ。
ミニチュアだったら、一つ頂きたいくらいでした。
さて、下旬には恒例の大船フラワーセンターにも出かけてきました(年間パスの偉大さを噛み締めています!)
彼岸花は赤だけではなくピンクや白も咲いていて、また中旬のお寺とは違って群生しているせいか、目に鮮やかな咲き振り。
萩は、下旬ともなるといよいよ見頃といった風情。花弁に絞りがある萩は、初めて見る品種でマジマジと見入ってしまいました。
割と広い所なので、目当ての花を見終わってからも漫ろ歩きをしてまして。
整備されている花壇では葉鶏頭や五色唐辛子がなんとも賑やかな彩……の先に、なにやらとてもコミカルな風景が広がりました。
オバケカボチャ(アトランティックジャイアント)の展示だそうですが、近づいて触ってみるまではプラスティックの置物かと思ったくらいです。
何処まで大きくなるかは育て方次第という南瓜だそうですが、名は体を表すという感のあるオバケっぷりな気がしますね。
そういえば、来月はハロウィーン。
とはいえ、あまり馴染みのないイベントなので仮装するよりは、オクトーバーフェストなどで乾杯したい食欲の秋であります。