貼りものの世界
こんにちは。
5回目の投稿になります koma です。
半導体を語ろうが折り返し地点となりましたので、ここで閑話休題。
先日、会社のロゴステッカーをいただき、ふと前にも貼りものとご縁があったことを思い出しました。
今回は貼りもの世界をほんの少しだけお話ししようと思います。
誰が貼るの?
貼りものですぐ思い出すのは、なんといっても車業界。
特にモータースポーツではよく見かけます。ロゴステッカー、プレート、エンブレムなどなど。
また、レジャースポーツも、多いですね。サーフボード、スノーボードとか。
印刷した和紙をサーフボードに載せ、樹脂をかけて和紙を溶かす「ディケール」もあります。
ゴルフのシャフトや釣りの竿などにも貼りものが活躍します。
近年は、アウトドアブームで、キャンステ(キャンプステッカー)が流行っていたりします。
意外とIT関連製品にも貼ってあることがあります。虹色に光るロゴマークとか見たことあるかもしれません。
何で作るの?
シール・看板・ステッカー他、種類豊富な貼りものの世界で私が知っているのは、主にPVC(ポリ塩化ビニル)とPET(ポリエチレンテレフタラート)です。
PVCには優れた防水性や耐侯性があり、紫外線など外部の環境での使用に耐えるため、屋外用に使用します。
また、難燃性強度が高く、型押しや着色のプリントが可能です。
他の材質に比べて価格が安く重量もさほど重くなく運搬費用が掛かりません。
PETは透明度が高く耐水性に優れており、ウィンドウディスプレイなどでよく見かけます。ただ、熱を加えると縮むため注意が必要です。最近は、燃やしても有毒ガスを出さないことから、PETを希望される方も多いようです。
それだけでなく質感(マット、艶、ヘアライン他)や厚さ(25~200μなど)、粘着力(強粘や剥離)も様々です。
製造メーカーとしては、やっぱり3Mが有名で、国内だとリンテックかなあと思います。
どうやって作るの?
材料は、剥離紙と糊のついた素材がセットになっているので、購入⇒印刷⇒最後に型で抜くという流れになります。
印刷方法としては主に2種類。
まず、シルク印刷。シルクスクリーン印刷ともいいます。ざっくり言うと版画っぽいです。
版にインクが通る小孔を開け、そのインクにより材料に直接印刷する方式です。
手作業のため、少ロットや多色だとお高くなります(単色やロットが多いとお安くなります)
細かいデザインや写真のような印刷には向いていません。
ただし、使用しているインクが定着するため、耐久性が強く耐候性にも優れています。
またインクに厚みがあり、下地の色の影響を受けないといった特徴があります。
DIC や PANTONE と言われる色見本を元に色を調合します。
都度調合するので、その時の気候とか環境とかに影響を受け、見る人が見れば「前と色味が違うな」と思うかもしれないです。
次にオフセット印刷。
インクをゴム胴に転写(オフ)してからそのオフされたインクを転写(セット)して印刷します。
原版が高解像度のため、写真などの細かいデザインでも綺麗に何度も印刷できるため、大量印刷に向いています
4種類のインク(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)を順番に塗り重ねていくのが特徴です。
シルク印刷に比べると耐候性に弱いところがあります。
部数が少数の場合は、オンデマンド印刷(インクジェットなど版を作らないもの)が向いています。
他にカッティング(抜き文字)という製法もあります。
材料をデザイン通りにカット(型かカッティングマシーン)⇒余分な材料を毟り(カスとり)⇒カットした材料の上にアプリケーションを貼り付け⇒最後に外枠をカットするという流れです。
ちなみに、”材料”が”インクそのもの”なのが、転写ステッカーになります。
どちらも、表面のアプリを持ち上げると材料が上がってくるのでそれを対象に貼り付けます。
他の貼りものは?
他に、エンブレムやプレートがあります。
例えば、アルミ/ステンレスをエッチング/印刷して抜き加工し、(貼りたい場合は)裏に両面テープをつけたりします。
IT製品だと、電鋳(金属をイオン状態で抽出する精密加工)やインレット(極薄の金属に細微なデザインが可能)をよく見かけるかもしれないです。
販促品から商品へ
子供の頃は、貼りものは主に販促品で見かけました。タダでもらえる、という事で宣伝活動にもなりました。
現在は大体グッズとして販売しています。
時代に伴い大きく変わるものだなあと思います。
おしまい。
ここまで読んでいただきありがとうございました。