ITの歴史観察-絵文字(Emoji)について-
つ~じ~です。最近は気候の変動やら人付き合いやら心にくるような世界情勢やらで体調崩しがちです。健康第一で頑張りたいと思います。
前回に続きまして今回も「IT関連の歴史、または開発秘話や裏話」を展開していきたいと思います。今回はみんな大好き『絵文字』です。
絵文字(Emoji)
前回の記事の執筆時に「QRコードって日本発祥なのか日本すげー」なんて思ったものですが、実は絵文字も日本発祥だったりします日本すげー。
絵文字はフィーチャーフォンことガラケー時代に日本で開発されたもので、現在は世界各国で「Emoji」として使用されております。海外でも「エモジ」と発音するのはすごいですね。
絵文字の普及は1999年前後、ポケベルに搭載された絵文字が始まりであり、フィーチャーフォンやPHSで広く普及しました。最初は12×12ドットという限られたサイズで絵文字表現を行っており、後にカラー対応、高解像度化、絵文字のアニメーション化など進化を遂げました。2010年にはUnicode 6.0で絵文字が新たに追加され、パソコンやスマートフォンなどで世界的に対応されたことから、日本だけでなく世界中で利用されるようになりました。
ただし世界展開には大きな壁がありました。それは『互換性』です。
絵文字は日本で幅広く使用されていたものの、特定の閉鎖的な環境内でしか使用できない技術的な問題がありました。そこで2002年頃、Unicodeに絵文字を収録する提案が行われましたが、その当時は計画が頓挫。その後、2006年の秋頃にGoogleのGmailのチームが、各社の絵文字を相互に表示できるようなメールシステムを考案し、それを元に2007年7月頃にUnicodeに絵文字を収録するチームが発足されました。2007年10月頃に3社の絵文字をUnicodeに収録しようという提案がGoogleとAppleの共同で行われ、2008年頃にオープンソースプロジェクト『emoji4unicode』が開始されました。このプロジェクトの成果の一部である『emoji symbols(絵文字記号)』が2009年3月頃にユニコードコンソーシアムに提案され、その一部がUnicode 6.0.0に収録されました。この制定により、携帯キャリア間および携帯以外の端末との間でも誤った変換が発生せずにデータ交換が可能になりました。そして近代、パソコンやスマートフォンなど世界中のOSにUnicode形式のEmojiフォントが徐々に標準搭載されるようになり、Unicode上での絵文字データの交換が可能となりました。数々の歴史に人々の努力が垣間見られます。
絵文字を開発したのは栗田穣崇(くりたしげたか)さん。現在は株式会社ドワンゴ専務取締役COO兼ニコニコ代表。現在のニコニコ動画(niconico)の運営代表の方です。
栗田さんの過去話にあったちょっとした小ネタですが、Emojiに感銘を受けた海外の方が
「Emojiはとても素晴らしいものだ!この『Emoji』という言葉は一体何が語源なのだろう?エモーショナル(emotional)とかきっとエモい意味合いに違いない!」
といった具合に栗田さんに質問をしたことがあり、栗田さんが
「あ、えっと、『絵』の『文字』で『E MOJI』です、ハイ。」
と答えると、大体の海外の方は「あ、ハイ…」としょんぼりした反応を返すそうです。期待はずれでごめんね!!
IT業界に勤める身として、自分もITの歴史に貢献していきたいと思います。今回はこれにて。