ソフトウェア品質特性を調べてみた1~機能適合性~

ISO/IEC 25010(JIS X 25010)記載のソフトウェアの「品質特性」について、解説記事を見つけました。

ソフトウェアの「品質特性」とは?8つの品質特性と31の品質副特性を詳しく紹介

テストケースを作成する「テスト設計」で観点の洗い出しに役立つということなので、品質特性と品質副特性を調べてみようと思います。なお8の品質特性と31の品質副特性の中から、必要なテスト観点を選定してテスト実施することがポイントのようです。

今回は「機能適合性」についてまとめます。「機能適合性」は想定されるユーザーが求める機能を網羅し、目的に沿った処理や結果を提供できる度合いになります。

「機能適合性」には3つの品質副特性があります

  • 機能完全性:機能がニーズをどれだけ網羅しているか
  • 機能正確性:機能を誤りなく正確に提供できるか(例:処理や出力が仕様どおりか)
  • 機能適切性:利用目的にふさわしい機能内容か(例:機能の実現に不要な手順がないか)

イメージしやすいように例を考えてみます。

種類副特性テスト観点の例
ECサイト機能完全性クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済など、仕様で定義された全ての決済手段の実装全ての決済方法を選択し、正常に処理の最終画面まで遷移可能かの確認
機能正確性適用条件を満たしたクーポンが、商品の価格に対して正確な割引額の適用と、最終的な請求額への反映クーポンやポイント利用が重なった場合の、割引の適用順序と計算結果の仕様通りの確認
機能適切性会員登録をすることなく、メールアドレスと最低限の住所情報だけで注文を完了できる機能。会員登録を経て購入する場合と比較した、購入完了までの必須入力項目と画面遷移数が削減されているかの確認
求人サイト機能完全性サイト内応募、外部サイトへのリンク応募など、仕様で定義された全ての応募経路の提供サイト内の全ての応募ボタンが機能し、求人情報に記載された全ての応募手段が機能しているかの確認
機能正確性求職者が応募、企業が選考などのフェーズを進めるたびの、システム上のステータスの正確な更新応募から採用までの全フローにおける、定義された順序通りのかつシステムエラーのない画面遷移ができるかの確認
機能適切性過去に応募した際の書類が、別の応募の際にも再利用できるように保存・管理されること過去の書類を新規応募時にワンクリックで選択・利用できるか、データが正しい紐づけとなっているかの確認

上手く整理できたかな。次回「性能効率性」に続く。

余談

アイキャッチは、ある日の「ツタンカーメン・ミュージアム」です。杖に驚く。

おしまい。ここまで読んでいただきありがとうございました。