前回の続きで今回は「性能効率性」についてまとめます。「性能効率性」は与えられたITリソース(資源)に対して、どれだけの性能を発揮できるかの度合いになります。
解説記事はこちら
ソフトウェアの「品質特性」とは?8つの品質特性と31の品質副特性を詳しく紹介
「性能効率性 (Performance Efficiency)」には3つの品質副特性があります
- 時間効率性(Time behaviour) :応答時間や処理時間が適切か(例:画面遷移の速度は許容範囲内か)
- 資源効率性 (Resource utilization): ITリソースを無駄なく効率的に使えているか(例:CPU負荷は許容範囲内か)
- 容量満足性 (Capacity):入力値やデータ量の許容範囲が十分か(例:想定されるデータ量を処理できるか)
今回も、イメージしやすいように例を考えてみます。
| 種類 | 副特性 | 例 | テスト観点の例 |
| ECサイト | 機能完全性 | ピーク時アクセス(例:セール開始直後)でも、商品ページが3秒以内に表示される。 | 最大同時アクセス数をかけた状態での、主要なページ(トップ、商品、カート)の応答時間が規定秒数内へ収まるか |
| 機能正確性 | 画像最適化により、サーバーのCPUやメモリ使用率を常時80%未満に保つ。 | 負荷テスト中の、サーバーのCPUなどの使用率が許容範囲を超えていないか | |
| 機機能適切性 | 大規模なセール時に、システムが大量注文を滞りなく処理できる。 | 大量の注文処理を実行させ、規定の時間内に完了できるかの検証 | |
| 求人サイト | 機能完全性 | 職種、地域、キーワードなどの複雑な検索条件での検索結果が1秒以内に表示される。 | 複数の検索軸を組み合わせたケースの検索を行い、レスポンスタイムが規定秒数内へ収まるか |
| 機能正確性 | ブラウザのキャッシュの最適化による、PCやスマートフォンのCPU利用率の過度な上昇の回避。 | キャッシュを利用した再読み込み時のCPU負荷軽減の確認 | |
| 機能適切性 | 登録された求人情報が10万件に達しても、システムの処理能力や応答速度が低下しない。 | データベースに大量のダミーデータを投入し、通常の操作(検索、表示など)の応答時間が劣化しないかの検証 |
基本的にブラックボックステストで実施できますが「資源効率性」の一部やデータベースの確認などは、ホワイトボックステストが必要になりそうです。
次回「互換性」に続く。
余談
アイキャッチは、ある日の箱根です。

おしまい。ここまで読んでいただきありがとうございました。





