消閑私記 如月
少々格好つけたタイトルにしていますが、中身は大げさなものではありません。
要はちょっとした時間潰しのネタの一つ二つなり提供できれば……と、徒然なるまま書いていくという事です。
所謂レビューなんていうほど大層な感じではなく、軽いおすすめとか感想のような感じですね。
さて、一つ目はマンガから。
ジャンルとしては少女漫画となりますが、全年齢層に読んで頂ける一冊だと思います。
銀のロマンティック…わはは
著者:川原 泉
男子シングルの金メダルで話題になっているフィギュアですが、この作品はフィギュアでもシングルではなく、ペアを描いている物語です。
初版は1986年という作品ですので、描写されている内容は今とは違い過ぎると思います。
ルールも変わり、技術は驚くほど進化しているでしょう(男子シングルでは今やガンガン飛ぶ四回転がこの作品では夢のジャンプですから)。
なので、その辺りはそういう時代もあったのだなぁとサラリと流して読んで頂ければと思います。
この物語は、敢えていえば「努力が、報われたい形では報われなかった」話だと思います。
それだけだと暗いばかりな話なのかとなりますが、タイトルの「わはは」が示すように、全体的には明るくコミカルな物語なのです。
ただ、その「わはは」に込められた眩いばかりの健気な夢の一瞬を、じわりと噛み締めていくようなお話なのです。
また描写されている世界が、とても優しいのです。
読めば元気が溢れてくるということではないですが、ほっこりとする素敵な作品です。
次は映画より。
打って変わって少し暑苦しい感じで語ります。
バーフバリ
インド映画、初・体・験! でございました。
実は、踊るマハラジャが話題になった時に気になりつつも、ミュージカルに乗り切れない身としては指を咥えて見送っていたのです。
今回もTLやらでちらちら見える「王を称えよ!」の言葉が気になりつつも見送る公算高しだったのですが、最近映画見てないなぁ……という内部の声に背を押され映画館へ出かけてきました。
ネタバレしない程度に感想を述べれば、もはや王を称えよ! としか言いようがないですし、ネタバレしてもいいよと言われても、王を称えよ! が第一声になるのでは、というくらい王の素晴らしさを浴びるほど味わう約2時間半。
神話パワープレイの数々が示す圧倒的正義。
自然と湧き出てしまう、という表現がピタリと嵌る歌の説得力。
小さいという言葉が迷子になってしまう、壮大過ぎる情景。
独特なテンポでありながら、勇壮かつ優美な戦闘シーン。
登場人物たちの目力の圧巻の強さ。
何の予備知識がなくても、これだけ山盛り楽しめるわけなのですが、ベースになっているインド神話や文化などを知ると、より味わい深いかと思います。
でも、こういった知識の仕入れは2回目などからでも遅くはないでしょう。知識など無くても十分以上に楽しめます。
惜しむらくは、日本公開にあたって削られたシーンがあるらしいこと。
是非とも完全版で劇場公開して頂きたかった!
とまれ、30分近くカットされてるとはいえ、ラブにアクション、ミュージカルにVFXがこれでもかと詰まったエンターテイメントは、頭からっぽにして楽しめる素晴らしい時間でした。
ちなみに。
見てきたバーフバリは王の凱旋というもので、続き物の2作目完結編。
1作目は伝説誕生というのですが、こちらを見ていなくてもきちんと楽しめるようになっています。
つまり、始まる前に前作のあらすじをきちんと紹介してくれる親切設計。
皆様、安心して王を称えに足をお運びください。