露隠月 2018
紅葉狩りには少々早い初旬には、いつもお世話になっている大船フラワーセンターに菊を観に行きました。
かかしにお迎えされたのですけど、なんだかちょっぴりハロウィーンの名残を感じてしまいます。
植物鑑賞が好きな割に、知識が貧相なワタクシ。
菊といえば、小菊か食用菊かというイメージしかない体たらくで出掛けたのですけれど、あんなに種類があるとは吃驚です(いつも吃驚してますが)。
展示会ではあるのですが、「菊花大会」と銘打っているように品評会もある様子。
貧相知識のワタクシとしては、綺麗だなぁ、としか声が無いわけですけれど。
さて、そんな貧相な知識のワタクシに優しい、仕立て方や菊の種類などを解説している看板を発見しまして、じっくり読みます。
展示の最初に目に入るのは、「懸崖」と呼ばれる仕立てのものがドーンと! 展示されている様子。
懸崖には、「前垂型」と「静岡型」があるようなのですが、ここでは「前垂型」の展示のみでした。
他にはドーム仕立てや三本立だるま等、仕立て毎に展示されてました。
仕立て方の懸崖もどういう方法なのか首を捻りましたが、もっと捻ってしまったのが「盆養三本立」というものです。
看板からの受け売りですけれど、「盆養」とは聞く栽培では鉢植のことを指す言葉だそうです。
そして、三本立には「天地人」があり、後ろの一輪が一番高くて「天」、前二輪のうち高い方を「地」低い方を「人」と呼ぶそうなんですが、高さを綺麗にコントロールするなんて……凄いですよね。
なお、写真の盆養三本立は「間管」と呼ばれる種類だそう。
花弁の太さによって分けられるのだそうですが、これは上から二番目の太さのようです。
こちらは先ほどよりも細いので、細管になるのでしょうか、ね。そしてこんもりしている方は厚物だとか。
こういった数々の品種があるなかで、さらに古典菊と呼ばれる品種があるのですよ。
いやはや、もう感嘆符しかでてこない状態です。
(古典菊のなかの嵯峨菊、嵯峨の錦)
これでもか! というほど菊を堪能しまして、下旬はいよいよ紅葉狩りと鎌倉へ。
最初は円覚寺に向かいましたが、今年は本当に台風の塩害の影響が凄くて、紅葉もやはりダメージを受けていました。
遠目には割と綺麗な紅葉でも、近場でみると悲しい風情に。
それでも好天に恵まれまして、抜けるような青空に紅葉が映えていました。
円覚寺に到着した時はそれなりに早い時間帯だったので、紅葉を見ている時はそれほどでもなかったのですが、やはり次の目的地へとお寺を出る頃になりますと、人出がかなりな感じに。
嫌な予感に捕らわれつつも次の目的地である明月院に着きますと……紫陽花の頃とは比較にならないものの、かなりの行列が出来ておりました。
行列のもとは、明月院といえば、の丸窓です。
ただ、以前は割と行列は散漫としていたといいますか、拝観する人任せだったような……気がしていたのですが、今回行ってみましたら、きちんと並んで下さいと案内が出ていました。
11月下旬だとまだ少し紅葉には早いのか、まだ色づく前ではありましたが、折角ですし、明月院の紅葉を探す前に行列に並んで撮ってきました。
そして気づく、山の寒さ!
良いお天気だったので日向を歩いていると暑さを感じるくらいなのですが、山の日陰で並んでいるとひしひしと寒さが染み込んできます。
丸窓を撮り終わって、すぐに日向に避難してほんのり温まること暫し。
見渡すと、紅葉よりは緑が鮮やかな印象です。
とはいえ、日陰があれだけ寒かったわけですし、紅葉も見ることができました。
一面の、というわけにはいかなかった今回の紅葉狩りですが、その代わりでもないですが、緑から染め始めのグラデーションが綺麗だったので、充実した紅葉狩りだったと思います。
来月は余裕があればもう一度紅葉狩りをするかどうか、迷う感じです。