花残月 2020
緊急事態宣言が発令されるかどうかが取り沙汰され始めた3月下旬。
月末に予定していた京都旅行は、泣く泣く自粛して諦めました。
ただ、三月の最終週は発令前だった為、いつもお世話になるフラワーセンターは平日は開園していたのです。
人が居ないのであれば、散歩にもなるし、とお出かけを決めました。
勿論、人が多そうだったら即帰宅しようと決めて、人のいなさそうな時間帯……平日の開園直後を狙います。
結果、天候があいにくの曇天模様だったお陰もあって、職員さん以外は誰もいない! という状態で、少し植物鑑賞が出来ました。
基本的にワタクシ、引き籠っている事自体には全く苦を感じないタイプなので、そういうストレスは抱えていません。
ただ、ニュースは暗いものばかりですし、この先の見通しも立たず、まだまだ長引く予感しかない。
となると、気分自体は少しばかり鬱屈としていたようで、この時に植物を見れたのは本当にホッと一息という感じでした。
一番の目当ては桜だったのですが、そちらへ行く前に椿が目に飛び込んできました。
京小町と乙女椿です。
乙女椿は、ワタクシでも見ればわかるという非常に特徴的な椿で、別格で好きな椿です。
絞りが綺麗な京小町も清かな風情で美しかったです。
原産のヨーロッパではクリスマス頃に咲く為に名前に冠しているわけですが、日本での花期は1月~3月となるので、咲いている所をみると、いつも少しだけ季節感が迷子になる感じがします。
俯き加減の咲き振りがとても好きなポイントです。
さて、お目当ての桜ですが、ソメイヨシノがほぼ満開になっていました。
この時期は本来、平日でも割とブルーシートを広げてお花見を楽しむご家族とかが溢れているものなのですが、この時ばかりは貸し切り状態でして、爛漫な咲き振りにも関わらず、ほんのり侘しい心地にもなりました。
ソメイヨシノの他にも咲いていた桜をチラホラと見て回りました。
加賀の曙はすっきりとした一重に、ほんのりと先が薄紅に染まって可愛らしい風情。
桐ヶ谷は、別名御所返しとも呼ばれる美しい桜で、一重から八重が混じって咲くのだそうです。
そして、白色の八重咲きの代表品種である白妙の清浄な美しさと、名の通り優美な手弱女の美しさを堪能して、鑑賞はここまでとしました。
フラワーセンター散策は時間としては一時間程度と、普段から考えると短い時間でしたが、良い運動にもなりました。
緊急事態宣言が発令からは、リモートワークと外出自粛の合わせ技で、食料を買いに行く以外はほぼ外には出ていません。
買い物の道すがら街路樹など少々の緑で癒されはしますが、一日も早く憂いなくお花見を楽しむ日々が返ってくることを願って止みません。
ここが我慢のしどころと、手洗い&外出自粛と出来ることに励みたいと思います。