イノベーター理論について【後編】
つ~じ~です。最近体調が乱れがちです。皆さんも体調には気を付けましょう!
さて、今回は初の試みとしてブログの二部構成となっております。前回のブログをお読みでない方はまずこちらをご覧ください。
こちらを読まれていることが前提で本稿を進めさせていただきます。
キャズム理論
前回の話で「アーリーアダプターの攻略が普及に於いて一番最重要」と伝えましたが、ここでイノベーター理論を語る上で外せないもう一つの理論がございます。
それが「キャズム理論」です。
キャズム理論とは、イノベーターやアーリーアダプターなどのイノベーション(革新的)グループと、市場の大多数を占めるマジョリティ(多数派)グループ(アーリーマジョリティ・レイトマジョリティ)の間には大きな『溝【キャズム】』が存在しており、この溝を乗り超えられない限り新製品の普及は上手くいかない、とする理論のことです。
なぜキャズムが発生するのか、それは以下のように、たとえ隣り合った層であっても考え方や価値観に大きな違いがあるためです。
イノベーショングループの考え方・価値観
- 誰も使っていない製品を取り入れて他人を出し抜きたい
- 多少のリスクは大目に見る。リスクを負って誰かを出し抜けるなら望むところ
- 世間の先陣に立って目立ちたい
マジョリティグループの考え方・価値観
- みんなが採用している製品を取り入れて安心したい
- 基本的にリスクは負いたくない。安心できる製品が欲しい
- 基本的に目立ちたくない
イノベーショングループは「優位性」を求め、マジョリティグループは「安定性」を求めます。
マジョリティグループは「みんなが使用している」ことを判断材料の1つにしている為、市場全体の16%という少数派のイノベーショングループにしか採用されていない状況は、マジョリティグループがその製品を取り入れる判断をするにはちょっと弱い状態となっており、マジョリティグループにまで製品が普及されないという状況になります。これがキャズム理論です。
ではどうすればこのキャズムを超えられるのか、過去の事例を基にいくつか参考例を紹介します。
①海外に先に普及させる
国内の総人口と国外の総人口、どちらが多いかと言われたら当然国外の総人口です。そんな国外で先に普及させた場合どうなるかというと、たとえ16%という少ない層に普及できただけだとしても、国外の総人口は国内よりも圧倒的に多いので、16%でも凄まじい数となります。故に「海外での16%」は「国内から見たら多数派と同等、または、それ以上の人数」に普及されているかのように思えるのです。あとは
「世界で大流行!!」
というフレーズとともにメディアで宣伝しまくれば、「大多数の人がそれを取り入れている」かのように思わせることができます。
こんな流れで普及されたものとして有名な所だと「ポケモンGO」があります。ポケモンGOは国内大流行の前に「世界で大流行」としてよくメディアに取り上げられておりました。SNSでもカイリューを見つけて外国人が群がる様子がバズっていたのを覚えております(確かネタで言ってただけだったとは思いますが)。そこからお茶の間やネットでも認知され始め、さらにポケモンのネームバリュー、導入のしやすさ、スマホの普及率、操作の単純性、散歩のお供にちょうど良い、外でプレイしたら明らかに他の人もやっているというのがわかる状況(レイドボスに集まる人々などとても印象的でした)なども相まって、日本でも大流行を果たしました。
②レビューを充実させる・口コミを広める
マジョリティグループは「みんなが取り入れている」という情報を知るためにそんな情報源を常にマークしております。今時であれば動画サイト、SNS、有名人のブログなどが主流です。なので、そうしたメディア媒体に「こんな素敵な製品あります!」「私も使ってます!」といったレビューや口コミを展開していくと、マジョリティグループへの宣伝や普及に繋がっていきます。
「既に大流行!」「製品を採用するとこんなメリットが!」「今こそこの波に乗るべき!」などのポイントを意識して宣伝を行うとより効果的です。実際こんな宣伝文句をよく目にしてはいないでしょうか?
口コミを広めるのも大切です。なので、製品に「口コミを広めたくなるような仕組み」を入れるのも効果的です。単純に「口コミを投稿してくれた人にクーポンプレゼント」などのストレートなやり方もアリですが、例えばポプテピピックやウマ娘などでは「仕込まれた小ネタ」「パロディネタの元ネタ」「スクショしたくなるような印象的なシーン」などがたびたびSNSでバズっております。こうした要素も「口コミを広めたくなるような仕組み」に該当します。そうした口コミを見て「何度も見かけるこのトレンドは何なんだ? 元ネタを調べよう」という流れにも持っていけるのでお勧めです。
③安心できる仕組みをたくさん作る
先述の通り、マジョリティグループは「安心できる事」を第一に考えております。なので、製品導入の際に安心感を感じられる仕組みを作るとより普及しやすくなります。
「30日間無料です。30日以内に退会していれば支払いは発生しません。30日経つ前に退会していても30日間はずっと使えます」などノーリスクを感じさせる仕組みがあると安心感を与えることができます。また、ユーザビリティを高めて「使い方が自然とわかる」ような製品になっていると尚良いです。「わからない」という状況は人に大きな不安を与えます。逆に「わかる」という状況は人に大きな安心感を与えます。
顧客が何を求めているか、何に不安を感じているかを考えてその対策を講じてみましょう。
他にもいろんなやり方があります。これを機に研究してみてはいかがでしょうか。
「日本経済が停滞したのはマーケティングを疎かにしたからだ」
と主張する人もいます。意見はあると思いますが、マーケティングが重要であることに変わりはありません。
今後も社会人として視野を広めて参りましょう。今回はこれにて