露隠月 2023
師走が目の前という時期になるにも関わらず、20度を超える日があるという昨今。
寒暖差の激しさに気分も体調も芳しくない日々なのですが、数少ない恩恵として紅葉狩りが間に合いました。
所は、数々の映画や大河ドラマのロケ地にもなっている藤原の郷。
この後の中尊寺へのついで…のような心地で訪れたのですが、予想以上に本格的な建築物の数々と広さ、紅葉の見事さに、ついでだなんて思ったことを反省しながら満喫しました。
紅葉も綺麗ですし、紅葉が映える庭園も素晴らしいしか言葉がありません。
そして何処かで見たことあるようなシルエット、広大な郷の眺望に筋肉痛になるほど歩き回りました。
平地にぽつんとあるのかと思いきや、割と本格的なハイキング状態でした。
ただ再現された建築物を見るだけではなく、建物内に色々展示があり、着物の着付け体験や貝合わせなど昔の遊びが体験できたりもして、風景だけではない楽しさもある侮り難い施設でした。
さて本命の中尊寺は金色堂です。
門から少し進んだだけなのに、既に期待を上回る風景にため息が零れます。
思った以上の山道に息が切れているだけではない、はずです。
何というか、目に入る全ての樹木が半端なく大きいんですよね。
入口付近だというのに、圧倒される感強し。
金色堂に辿り着くまでにも数々のお堂があるわけですが、どれもが素晴らしくて、何を見ても「うわーきれー」という凡庸そのものな言葉しか出てきません。
不動堂は朱色のお堂と、紅葉の調和が素敵でした。
弁財天堂は紅葉自体も凄かったのですが、水面に映る様が滅多にない風景に思えて、何とか上手く撮れないかと四苦八苦。
まぁ、写真の腕など早々上手くなるはずもなく無念ではありますが、雰囲気だけでも伝われば…良いなと思います。
金色堂は、想像以上に眩かったです。写真は撮れませんでしたが。
流石に野ざらしには出来まいということで覆堂があるのですが、その付近の紅葉も趣がありました。
人の流れが途切れる隙間を狙うために、小雨そぼ降る中そこそこ粘りました。
釈迦堂は紅葉(もみじ)ではなくドウダンツツジなのですが、鮮烈な紅の存在感が素晴らしかったのです。
ラストは猊鼻渓になります。
こちらでは、紅葉の季節は既に終わりかけな雰囲気でした。
ほんのり残念な心地でいたのですが、舟下りが楽しめるとのことですぐに上向きに。我ながら現金というものです。
そして舟に乗り込みましたらですね、餌を求めて鴨さんが並走してくるのですよ。
一生懸命に舟についてくる姿が、滅茶苦茶に可愛らしくて、風景そっちのけで鴨さんばかり撮っていました。
ちゃんと景色も見たりしてましたが、折り返しの場所にいた鯉にも心奪われかけたりしていました。
復路では船頭さんの唄が素晴らしく、朗々と響くというのは正にこのような声なのだろうとしみじみ聴き入りながら贅沢なひと時を過ごしたのでした。
来月はもはや年の瀬が迫る師走。
無事に鑑賞納めができることを願いつつ、仕事納めに邁進したいと思います。