前回の記事では、AL2からAL2023への移行におけるリスクや、現場での具体的なシステム変更点について解説しました。AL2023への移行が完了したら、次に検討したいのが「移行完了後の長期的な運用計画の策定」です。本記事では、AL2023のサポート期限と、その先にある次世代OSとの付き合い方について解説します。
1. 今後のロードマップ:2029年まで使い続けても大丈夫?
AL2023のサポート期間
2027年6月30日:「標準サポート」が終了し、メンテナンスフェーズへ移行します。メンテナンスフェーズでは、提供される更新内容が標準サポート期間とは異なります。
2029年6月30日:AL2023のサポートが完全終了します。
2029年までの「複数世代を飛ばした移行」をおすすめしない理由
AL2023の最終期限である2029年まで現行環境のまま維持し、次々世代のOSへ一気に移行する方針は推奨されません。
Amazon Linuxでは世代ごとに主要コンポーネントの更新や仕様変更が行われるため、大きく世代を飛ばした移行では非互換の問題が発生しやすく、結果的に大規模な改修を招く可能性があります。また、2027年以降はメンテナンスフェーズへ移行し、提供される更新内容が変わるため、運用面のリスクも少しずつ考慮していく必要があります。
2. 次のOS(AL2027仮)への移行タイミング
注意:次世代OS(Amazon Linux 2027)の具体的な仕様や正確なリリース時期は、本記事執筆時点では、まだAWS公式から詳細が発表されていません。これまでのリリース周期を元にした予測となりますので、今後の公式発表を随時確認していく必要があります。
AL2023へ移行した後の長期的な運用は、以下のようなスケジュールを視野に入れておくと、将来の移行負荷を抑えやすくなります。
移行のタイミング:2027年後半 〜 2028年前半が適しています。
移行の考え方:仮にこれまでと同様のリリースサイクルが続く場合、2027年前後に次世代版(AL2027仮)が公開される可能性があります。ただし、新しいOSのリリース直後は導入事例や技術情報がまだ少ないため、数ヶ月から半年ほど様子を見るケースが多く、情報がある程度揃ってから移行する方がリスクを抑えやすいと考えられます。次世代OSの初期不具合や情報不足が落ち着き、関連ツールやミドルウェアの対応状況も確認しやすくなるためです。
日々の運用:次のOSへ移行するまでの期間は、定期的にAL2023のマイナーアップデートを適用していく運用方法が現実的です。長期間放置してから一気にアップデートするよりも、1回あたりの変更差分を小さくでき、検証の手間を抑えることができます。

3. 参考リンク
※本記事の内容は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。最新情報についてはAWS公式ドキュメントをご確認ください。
この記事で紹介したロードマップや仕様変更の根拠となるURLおよび公式ドキュメントです。運用の計画を立てる際の参照用としてご活用ください。
AWS公式
Amazon Linux 2023 リリース周期とライフサイクル
Amazon Linux 2023 Release Notes
解説記事
DevelopersIO:セッション「Amazon Linux AL2023 and beyond」レポート
まとめ:計画的な移行を!
OSのライフサイクル更新は、単なるインフラの維持管理作業ではなく、システム全体のアーキテクチャを最新化する機会となります。
「移行期限が迫ってから対応に追われる」のではなく、「次のOS登場を見据えて日々のマイナーアップデートを運用に組み込む」という計画的なアプローチが、中長期的なシステム運用において重要です。OSのライフサイクルを見据えた計画的な運用を取り入れることで、将来の移行負荷を抑え、より安定したシステム運用につなげることができます。まずはAL2からAL2023へスムーズに移行し、その先を見据えた継続的にアップデートを実施できる運用体制へとシフトしていきましょう。





